上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?

上野先生は、私が注目している方No1.
不謹慎ですが、彼女がどのように死んでいくのかとても興味があります。
おひとり様で在宅ひとり死を目指す、私の希望の星なのです。

まず、この本について、上野先生ご自身が言及している文章があります。
この本の中で、私は小笠原文雄先生にQ&A形式で根掘り葉掘り聞いています。小笠原先生は、在宅看取りを実践しておられる岐阜市在住の開業医ですが、その方だけでなく、各地にパイオニアの先生がいらっしゃいます。今、この方たちの後にくっついて、往診同行調査をやらせていただいています。(『日本の大問題「10年後」を考える』p236)

現場を見てきました。小笠原ドクターと、ヘルパー、トータルヘルスプランナーという資格をお持ちのナース、そこに役に立たない私がくっついて歩いています。私がドクターにお願いしているのは次の二つの条件です。一つは独居のご家庭にお連れください。もう一つは、できるだけ死にかけの方のところへお連れください(笑)。(同上p242)


上の文章でわかるように、上野先生は小笠原先生にくっついて取材をしつつ、
そこで感じた疑問を社会学者らしく鋭くぶつけます。
どんなサービスがあれば在宅ひとり死は可能なのか。
そのサービスを受けるのにお金はいくらいるのか。
それは介護保険でまかなえるのか。
在宅ひとり死を阻害する抵抗勢力はなにか。

そして
サービスは地域で格差がある。
必要なお金は、介護保険プラスちょっと。
最大の抵抗勢力は「家族」である。
と結論づけています。
そして非婚で独り身のご自身を、「幸せだ」とおっしゃるのです。

国は「時々病院、普段は自宅」という方針へ舵を切りました。
在宅で死ぬことを国が推進するのです。
病院にはいられない時代がそこまで来ています。
今後は自宅で寝たきりも当たり前になります。
両親を自宅において、遠距離介護をしながら看取ること。
がこれからの時代に必要になるのかなと感じています。

予習と現状把握に最適の一冊です。

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